木の家/2×4工法
2x4工法ってなに?
2x4(ツー・バイ・フォー)とは19世紀の北米で開発された建築工法で「枠組壁工法」とも呼ばれます。
その特徴は面構造で基本的に2x4インチ(5x10cm)の断面の木材(現在では2x6や2x8等もあります)で作られた枠組みに構造用合板を釘打ちした木製パネルを組み合わせて、床、壁、天井などの面を構成し六面体を組み立てていきます。
この工法で一番多く使われる構造用製材が、北米で2x4インチであったため、2x4工法と呼ばれるようになりました。現在では、アメリカ・カナダの木造住宅の約90%以上が2x4工法で建てられています。
木が持つ5つの性能
ポイント1:木は鉄よりも強い?
建築材料として引っ張り強度を比較すると、木は「鉄の3倍」、圧縮強度でコンクリートの「約12倍」も強いという実験結果があります。
また木材の風化速度は1年間に0.03㎜で100年間風雨にさらされたとしても、表面からほんの3㎜程度劣化するだけです。一方、鉄の劣化は1年間で0.05㎜。一般的に使用される2.3㎜厚の鉄骨が両面から錆びると、計算上わずか20年で錆の塊となります。
ポイント2:2x4工法が耐久性に優れている?
軸組工法(日本の従来の建て方)
- 柱や梁を基本構造として建物を支える。
- 柱や梁で建物の形をつくり、その間を壁や天井にするためボードなどで埋める。
- つまり「線」によって構成されている。
2x4工法
- 数種類の規格化された枠組みに、構造用合板などの面材を張りたてるパネル(板)で床・壁・屋根を構成して建物を支える。
- 床・壁・屋根が初めから面としてつくられ、その面(板)で箱をつくるように建物を形づくる。
- つまり「面」によって構成されている。=壁・床・天井すべての面がパネルで構成され、6面体をつくるような家造りとなることから、外力を面全体で受け止めることになるので、台風による強風や地震にも高い耐久性を発揮している。
1995年に起きたM7の阪神淡路大震災において、一棟も倒壊することなく、被災地に建つ2x4住宅の96.8%が補修をしないでも居住可能という軽徴な被害にとまりました。
これは、地震大国日本での、2x4の耐震性が証明されたと言っても過言ではありません。
ポイント3:木材の耐熱性は鉄の350倍!!
物質の断熱性は熱伝導率によって決まり、熱を伝え難い物質ほど断熱性に優れています。木材はきわめて熱を伝え難い物質の1つで、その熱伝導率は約0.12W/m ・kで、鉄の約350倍、コンクリートの約10倍もの断熱性をもっていることになります。
木材に触れた時のあの優しいぬくもりはまさに優れた断熱性の証なのです。
ポイント4:木は除湿・加湿器の役目を果たしている?
木材は、空気中の湿度が高いときには水分を吸収し、湿度が低いときには水分を放出するという調湿作用をもっています。このため、木材を建物の内装などにたくさん使うと、部屋の中の湿度の変動は小さくなります。
ポイント5:木は意外と火に強い?
木は火に弱い、とお考えではありませんか?確かに木材は燃えやすい性質をもっています。
しかし、ある程度の太さや厚さがある(つまり断面が大きい)木材は、いったん燃えても表面人炭化層をつくるだけ。火は内部まで進行しないため、強度が低下しにくいという性質をもっています。700~950℃にまで達するといわれる現実の火災においても、実大火災実験の結果などから、これは事実として確認されています。
2x4住宅は建物への着火の防止、火災拡大の防止のために、すべての壁や天井の室内に面する全面は、石膏ボード張りとなっています。
石膏ボードは優れた防火性を発揮します。木に炎を近づけると250℃で発火、450℃を超えると自然発火しますが、石膏ボードは火にあたると約20分間、発火点への到着時間を遅らせるのです。理由は石膏ボード中に含んでいる21%の結晶水が熱分解して外に放出されるため、構造部材の温度上昇を食い止めるためです。